休日の朝9時にピンポ〜ンとインターフォンが鳴ったので
アマゾンでも来たかな?とモニタをのぞくと
こちらを見上げる小さな頭部が二つ。
頭①「〇〇 J助でッす!」
頭②「〇〇 A子でッす!」
見覚えしかない二人がフルネームを叫んでいる。
その声に気づいた我が家の小さい頭も、わァああああ〜〜と足を踏み鳴らして歓喜しだした。
二人だけ?と首をかしげながらも、エントランスを開錠し玄関のドアを抑えて待っていると、バタバタと階段を駆け上がってきた。
同じマンションに住むS家の兄妹、
J助(5)とAちゃん(4)だ。
「お母さんは?二人だけできたの?」と聞くと「うんッ」と言う。「お母さん知ってる?」「あ!〇〇〜〜!(←息子)」「キャアアア〜〜〜ア!」「手洗って!」「J助、ジュースのみたい!」「Aちゃんものむ!」「わかった!手洗ってから!」
夫「J助!お母さんに言ってきた?」
「ジュースのむッ!」
夫「J助!!お母さんにちゃんと言ってきた?」
こちらの目を見ながらゆっくり頭を横に振るJ助。
ギェーーー!と慌ててS家にライン。
聞くと犬の散歩中だったらしい。
J助「あ、おかさん携帯わすれたって言ってた」
ギェーーーっ!!!光の速さで玄関を飛び出す夫。
数分後、無事ラインが既読になりお母さん(Mちゃん)と夫が帰ってきた。
もぉ〜〜〜〜!J助!!!と怒りながら入ってきたMちゃんだったけど、泣き笑いのような表情にこの数分間のすべての心労が浮かんでいて、ギェーーっと慌てながらもどこかこの状況を面白がって呑気にジュースなんてあげていた自分を光の速さで引っ込めた。
いつかはこんなこともあるかもねーなんて笑ってたのがつい先日。
小学生に上がったくらいを漠然と想像してたけど、ぜんぜんすぐ起きたし、ぜんぜんシリアスだし。ネタにしてみんなで笑うにはあと半日、いや、3時間くださいと思った。
結局その日は、今年最後の夏日だったこともあり、ベランダプールを出してみんなで入って、夕方S家のおとうさんが帰ってきてから、母ふたり以外で銭湯にいって(もらって)、わたしはその間S家でよもぎ蒸しを体験させてもらい、Mちゃんはリビングで『プリズンブレイク』をここぞとばかりに観ていた。
よもぎ蒸し終わりにMちゃんが入れてくれたハーブティーを優雅に頂いていると、銭湯組からスーパーで息子がエキサイトしている動画が届いて片手で絵文字を返した。
夜はそのまま我が家でタコパ。
朝の脱走事件をつまみにお酒が進んだ。
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S家との付き合いは長い。
もともと夫同士が同級生で、わたしも若気が至りまくっていた20代前半からよく一緒に遊んでいたので、夫の交友関係のなかでもとりわけ近い存在だった。
そしてこの春、うちがS家のマンションに引っ越したことで名実ともに?近い存在になった。
大好きな友だちとはいえ、近すぎるのもどうだろう...という心配が無いわけではなかったが、人生一度、友だちと同じマンションっていう経験も面白いかもしれない、とわたしは考えていたし、夫は夫でS家とならなんとなく上手くいく気がすると言っていた。
それが、想像の遥か上をいく心地よさでうまくいっている。
でもそれは、ただ波長が合うという理由だけでナチュラルに成り立っているとは思わない。
お互いがこの関係を大切に、細やかに、ケアしてるからこそ成立しているんだなぁとつくづく感じる。
小さなことでも一方の負担が過多にならないように。あっけらかんとしたMちゃんの振る舞いのなかに、そういう配慮をみつけるたび自分の背筋もちょっと伸びる。
壁はなくともこころ配りは忘れない関係でいたい。
夏には旅行もいった。毎日の子どもの成長を一緒に見守れる大人が4人になった。とても心強い。